[感想]私たちのスーパー・タスカン ブレンド・テイスティングの夕べ

さきさま

楽しかった夕べをありありと思い出しました。ありがとうございます。
幻となった貴腐ワイン(カナダのアイスワイン)、あのほっそりとした美しい瓶の中のゴールド色が脳裏に焼きついています・笑。

あれから、実行していることがあります。やはり3500に昇るさきワインメモが印象深く、ワインをいただいたら写真をとり、さきさんのメモの要点に倣って、五感で味わい楽しみ記録するようにしています。しかし、色や味の表現方法がイマイチよくわかりません。ぜひその辺りをJJC通信にてご教示いただけないでしょうか。

薀蓄が育たず呑むだけ><;の私でしたが、少しずつでも成長していけたらと思っています。
礼子

【JJC通信】私たちのスーパー・タスカン ブレンド・テイスティングの夕べ 

JJCワイン造りに参加しているさきです。


4/24夜、ブレンディング・セッションの
試飲検討会が渋谷で開催されました。


その報告をJJC通信にと伊藤礼子様より
ご指名を頂きましたので、当日のメモを
元にご報告します。


他の方は当然異なる観察・評価を
されていると思いますので、
ぜひ補正、訂正、加筆をお願いします。


当日の会場は渋東シネタワー11階の
貸会議室で、会場予約・設営・食器や
メインのおつまみの準備は伊藤礼子様、
誠様ご夫妻に多大なご負担をおかけしました。


テイスティングは開発香織様が
主導して下さり、高田浩様、川上明様、
宮崎陽世様、そしてさきが参加しました。


我々のワイン
「スーパー・タスカンSuper Tuscan 2017」
は基本はサンジョヴーゼ種なのですが、
他の品種を、割合を変えつつ混ぜた
4種類A~Dが提示されました。



以下が、さきの書き留めた印象・感想です。


A やや明るめの蘇芳色。
 つんと塩っぽい胡椒香。
 やや収斂味のあるタンニン。
 落ち着いた酸味。控えめな甘やかさ。
 ややスモーキーなコク。
 ボルドー風なところがある。

B くすんだ蘇芳色。
 Aより控え目な胡椒香。
 やや収斂味のあるタンニン。
 Aより力強い酸味。ほの甘い果実味。
 ざらりとした舌触り。Dよりは濃い。

C 濃い黒柿色。つんとした酸味香。
 すぐり香とスパイス香。
 比較的控えめなタンニン。
 鋭くはないが力強い酸味。
 控えめな甘味
 (ただししばらくして開いて甘やかになった)。
 スパイシーなこくと、緑茶の茎のような青味香。
 微かな塩味も感じられる。

D くすんだ蘇芳色。
 Bと似た控え目な胡椒香。
 収斂味のあるタンニン。
 若々しく力強い酸味。
 仄かな甘味。スパイシーなこく。


Cが最も色が濃く、複雑で、しかも
これからよく熟成しそうに思われ、
一票を投じました。


Aは4つの中では一番明るめで、
てっきりメルローが入っているのかと
思いました。


これが本来のサンジョヴェーゼなのですね。


Dはシラーが入っているのかと思いました。


まさかメルローとは。


後で明かされたブレンド割合は、
聞き間違いでなければ以下の通りです。


数字はパーセントです。


A サンジョヴェーゼ100

B サンジョヴェーゼ80
  カベルネ・ソーヴィニョン15
  カベルネ・フラン5

C サンジョヴェーゼ80
  カベルネ・ソーヴィニョン10
  カベルネ・フラン10

D サンジョヴェーゼ80
  カベルネ・ソーヴィニョン10
  カベルネ・フラン5
  メルロー5


結果としてCが5票を獲得し、
1位となりました。


下の投票の他に開発さんが
Cに一票だったそうです。



この後、参加者各自が持ち寄ったワインを、
選んだ理由を披露しつつ賞味しあいました。


持ち寄りの条件は「2000円以下」で、
流石ワイン好きの皆さんだけあって、
どれも大変美味しいものでした。


以下、披露された銘柄の情報です。


・白 Overstone Sauvignon Blanc 2018 ニュージーランド

・白 Mas Donis Blanc Monsant 2013 D.O.Monsant スペイン

・赤 Terra Tangra Organic Mavrud 2016 ブルガリア

・赤 Gerard Bertrand organic reserve speciale Syrah 2016 IGP Pays d’Oc フランス

・赤 Finca La Estacada Tempranillo 2017 D.O.Ucles スペイン

・赤 Laya garnacha Tintorella Monastrell 2017 D.O.P Almansa スペイン


今回は、自分が持ち込んだものも含めて、
なぜかスペイン勢が強力でした。


自分としては殊更にスペインを
贔屓にしているわけではないのですが…。


他に礼子さんご提供のカナダの貴腐ワインが
あったそうなのですが、部屋の貸し出し時間が終り、
後片付けに追われたため、口にせず、
メモすらできていません
(礼子さんご本人も一口も味わえず、だった由)。


幻の貴腐ワインでした!


私も、いつの日か生まれ変わって
葡萄になることがあれば、日当たりと
水はけの良い土地に根を下ろし、
しっかり熟して、良い醸造家の手で
芳醇なワインに仕立てられたいものだと
思いました。


これこそ葡萄が望みうる最高の
充実人生でしょう…。

———————

★お急ぎください★
2
017年ワインの
申込受付は5月15日までです!



以下リンクより必要情報を
ご入力頂いた上でお願いたします。

■申込みフォーム

なおワインラベル裏面に
ワイン造り参加者の名前を
記載させて頂きますが、
ご本人の名前ではなく、
贈呈したい人の名前、
ご夫婦/友人の名前等、
ご希望通りに記載可能です。

■ワイン造り募集概要
■ワイン造り紹介Website

*2017年のワインが手元に
届くのは2019年12月を予定しています

———————

【JJC通信】哀しみの保健室 vol.1~死別による心の痛みに必要とされるケア~ 

皆さん、こんにちは。


私は日本グリーフ専門士協会の
前川美幸と申します。


礼子さんには家族ぐるみでお世話になり、
JCCの活動にも興味深く関心を寄せていました。


この度、縁あってお仲間に入れて頂き、
とても嬉しく感激しております。


私は看護師・ケアマネージャーとして
働く傍ら、コーチング、カウンセリングを
学んできました。


現在はグリーフケアを広める活動に
専念しています。


グリーフとは「喪失悲嘆とその反応」を指し、
狭義では死別による喪失悲嘆を意味します。


団塊世代が高齢者となった今、
日本は超高齢社会から多死社会へと
確実に歩んでいます。


2025年には、団塊の世代が一斉に
後期高齢者となり、現在約130万人と
言われる年間死亡者数は、
約160万人以上に膨れ上がると
予測されています。
(厚生労働省 平成28年(2016)
人口動態統計の年間推計より)


大切な人との死別において
後悔しない最期を迎えるために、
また死別喪失後に引き起こる悲嘆を
少しでも和らげるために知っておきたいことを
「哀しみの保健室」シリーズとして
お伝えしていきます。


喪失には、様々な断絶がある



死別による喪失悲嘆は、いわば大切な
存在とのつながりが完全に絶たれてしまった
「断絶感」にうちひしがれている状態です。


その断絶は「個人とのつながり」だけでなく、
それに付随するものとも引き起こります。


誰もが様々なものに多面的に支えられ、
自分という存在を維持しており、
そのうちのどれか一つが欠けても、
脆く崩壊する危うさを秘めています。


大切な誰かを失うと、その死別喪失に付随し、
家族や友人、社会その他、それ以外の
「生きていく上での欠かせないモノ」
との繋がりが絶たれ、激しい痛みや
苦悩が生じます。


それは今、支援者の立場にいる
「私」たちも同じです。


支援する側もされる側も
「同じ人間としての痛み」は、
なにひとつ変わりません。


そのような同列の視点や感覚を持って、
対応することが耐えきれない悲嘆に
喘ぐ人に対する大切な心がけの
ひとつと言われます。


「大切な人を死別で失った断絶感の
只中にある人に対しては、どのような
言葉がけが有効でしょうか?」
という質問を、介護や看護の現場で
活躍する方々からお受けする機会が
私はよくあります。


そのような問いかけに対しては
「どんなケースにも通用するような
間違いのない台詞はまずないと思って
頂きたい」旨をお伝えしています。


死別による喪失悲嘆の反応は、
失われた存在との関係性やその人自身の
これまでの人生経験などの個別性によって
千差万別の格差があり、一概に
「これでいいです」と言えるような雛形は
存在しないからです。


親との死別ひとつとってみても、
その親との関係性がどうであったかにおいて、
その死別に対する悲嘆の反応は
人それぞれにちがいます。


まるで一卵性親子といわれるほどに
仲睦まじかった親子関係であったからこその
深い悲嘆もあるでしょう。


一方で長年の確執に悩み、和解の機会を
果たせないままに親を死別で失った場合にも、
その悲嘆は複雑化し長くその人を
苦しめることになりがちです。


また高齢となった親を看取る以外にも、
突然の病による配偶者離別、あるいは
事故や事件によって子どもを失う喪失
悲嘆を体験する人も少なくありません。


大きな災害によって家族を同時に
失うこともあります。


この世に誕生してからいろいろなものと出会い、
手にしてきた人生もやがて段々と、
新たに得るものよりも手放したり失ったり
するものの方が多くなっていく実感が
強まってきます。


人生はある意味、喪失の連続と言っても
過言ではないかも知れません。


誰にとっても避けることができない
「喪失」とそれによって引き起こる
「悲嘆」について、気力や体力のあるうちに、
一緒に取り組み備えていけたら幸いです。



前川 美幸(まえかわ みゆき)
一般社団法人日本グリーフ専門士協会 理事

グリーフケアの基本が学べる入門講座
(webにて無料開催中)


 

【JJC通信|号外】2017JJCワイン(Don deTerre) ブレンディングセッション開催 ★4/24(水)19時★ 

皆さま、こんにちは。
ご無沙汰しております、
JJCワインコーディネーターの野田です。


2017年のワイン造り、いよいよワイン造りで
一番楽しいブレンディングを実施する
段階に入ってきました!


我々のワインは2017年秋に収穫され、
1週間少々かけて発酵され
(つまりぶどうの糖がアルコールに変換され)、
その後樽の中でゆーっくりと熟成を
続けておりました。


いよいよ5-6月頃にはワインを
瓶詰しますので、その際にワインを
どのようにブレンドするかを我々のほうで
意思決定しなければなりません。


「そもそもブレンドって何?」
と思われる方は多いかと思います。


コーヒーをイメージ頂ければいいのですが、
キリマンジャロのような単一豆を
使ったコーヒーもあれば、
さまざまな豆をブレンドした
スペシャルブレンドのようなものも
あったりします。


一般的なイメージでは
「単一豆のほうが美味しいし値段も高い」
と思われがちですが、ブレンドすることに
よって単一豆だけでは生み出せない
ハーモニーを奏でるコーヒーも
あると聞きます。


ウイスキーの世界も同様です。


シングルモルトは一つの蒸留所で
作ったウイスキーですが、
ブレンディッドウイスキーは
複数の蒸留所で作られたウイスキーを
混ぜて作っております。


シングルモルト(例えば「山崎」)は
蒸留所の個性が出て素晴らしいのですが、
一方その個性が「飲みにくい」と
思っている人も多いようです。


一方、ブレンディッドウイスキー
(例えば「響」)はモルトウイスキー
だけでなくグレーンウイスキーなどを
混ぜることにより、飲みやすい味を
訴求しております。


さて前置きが長くなりましたが、
ワインもブレンドすることはよくあるのです。


世界的に有名なロマネコンティは
ピノノワール単一品種で造られた
ワインですが、ボルドーの5大シャトー
(シャトーマルゴー、シャトーラトゥール等)
は必ずブレンドしています。


「ブレンドの妙」と言われるくらい
ブレンドはとても大事なプロセスでして、
ブレンドされたワインの代表格である
ボルドーワインは歴史も
格も価格も超一流です。


さて2017年に造ったサンジョベーゼも、
ブレンドされることはよくあります。


ブレンドをすることによって、
香りを複雑にし、骨格を与え、
また口当たりをまろやかにする等の
調整が可能になっていくからです。


我々のワインをどうすべきか、
単一品種にしてサンジョベーゼの
良さをそのまま楽しみたいという方も
いらっしゃるでしょうし、
少しブレンドすることにより
複雑な香りや味わいを楽しんでみたい
という方もいらっしゃるでしょう。


そのためにThe Wine Foundry社より
4種類のブレンディングサンプルを
空輸して頂きました。



皆さんでテイスティングして頂き、
各々感じられたことを話し合いつつ、
多数決を取ってどのブレンド比率の
ワインを選択するかを決めて
頂きたいと思っております。


このワイン造りで一番大切かつ
楽しいブレンディングセッションに、
ご都合つくかたは是非ご参加ください!


日程は4/24(水)で決定しており、
準備の都合上、参加申込締切日を
4/17(水)とさせて頂きます。


会場は都内青山近辺を予定しています。

2017JJCワイン | ブレンドセッション 参加申込フォーム


まだ参加希望を出されていない方は、 
上記フォームにご入力ください!


詳細についてはご参加者へ
別途連絡をさせて頂きます。


私はその日は長野県にいるため
参加できないのですが、
ワインソムリエの有資格者でもある
開発香織さん(JJC出会いと食のプロデューサー)
が皆さまをエスコートします。


楽しいブレンディングセッションに
なることを祈っております!!



JJCワインコーディネーター
野田隆史

【JJC通信】個食<出会いと食> No.8 

出会いと食のプロデュースの開発です。


今回は、個食について
お話ししてみたいと思います。


「個食」に出会いも何もないだろうと
思われるかもしれません。確かに。


でも先日、素敵な(?)個食を
見てしまいました。


そう、それは駅の
立ち食い蕎麦屋さんでの出来事です。



その蕎麦屋は、
都内のJR駅のホームにあります。


地下鉄への乗り換えもできるので、
乗降客もそれなりに多い駅です。


ホームの立ち食い蕎麦ですので、
皆さん滞在時間は10分弱。


早い方は5分程度でしょうか。


店員さんは中年の女性が1人。


接客は丁寧で、立ち食い蕎麦屋さん
というより個人経営のカフェや
定食屋さんのよう。


ある寒い日、私が他の4,5、人の客と
共に蕎麦を手繰っていると、
一人のよちよち歩きのお爺さんが
入ってきました。


杖をついておられ、1歩で進めるのは
10センチくらい。


常連らしいのですが、
ちょっと久しぶりだったらしく
発券機のところで
「あれー、390円だったと思ったけど。
400円になったの?」
と戸惑われています。
(ぴったりの金額をポケットに
用意されていた様子)


すると店員さん、調理中だったのですが、
素早くカウンターから出てこられ、
お爺さんの発券をサポート。


そして、2脚だけある椅子へ誘導します。


わずか2メートルほどの距離ですが、
1分位かけて一緒に歩いて座らせます。


本来は水もセルフサービスですが、
お爺さんには用意してあげています。


その間、全く嫌な顔ひとつしません。


まさに神対応!


また、お爺さんと前後して来たお客さんも
3名ほどいたのですが、
皆さん急いでいるだろうに
「早くしろよ」といった空気も出さず、
お爺さんと店員さんを静かに
見守っていました。


恐らくその場の客全員が個食でしたが、
店員さんの接客により醸し出す
「温かい場」が共有されていました。


知らない人同士、時間は短くとも、
素敵な場は演出できるのだと
思った次第です。


(ちなみにこの蕎麦屋さんの味自体は、
「ふつう」であったことを
付け加えておきます。
でも、とても美味しく感じました)


出会いと食のプロデューサー 
開発 香織