【JJC通信】春めいて <茶遊庵だより> 弥生 

一雫(ひとしずく)
こぼして延びる
木の芽かな
『諸九尼句集』より


いよいよ春めいて、「梅は咲いたか、
桜はまだかいな」と、心の中も
うきうきしてまいります。


山里も雪がとけて、土筆、
たんぽぽ、猫柳春の草花が
いっぱい・・・。 


眠りから醒めた生き物たちも
春の光をあびいっせいに動き
出します。 



弥生月は行事の多い月です。
茶の湯でも、上巳(三月三日)
の趣向で雛祭茶会が催されます。


お雛様といえば、「桃」ですね。


桃は、枝にそって沢山の花を
付けるので、子孫繫栄の象徴と
しています。


桃は、邪気を祓い不老長寿を
与える仙木、仙果とされてきました。


また、弥生の茶事はお懐石料理も
楽しみの一つですので辻留さんの
春の点心の一部を紹介いたします。



◼️ 赤貝と独活の向付


〔主な材料〕赤貝・独活・三つ葉・
生姜・薄口醬油・米酢・二番出汁


赤 貝:蝶番をはずし中身を取出し、
身を切り開ききもをはずす。笊に
のせ塩をふり軽くゆすり水で洗う。


独 活:ほどよい長さに切り皮を
厚めに剝く。拍子切にして長さを
整え、水にさらす。(酢を少々いれて)


三つ葉:柔らかく茹でておく。


生 姜:皮をむいて、おろし金で
おろし、露生姜の準備をする。
(生姜酢の作り方・・薄口醬油・
二番出汁・米酢を合わせ生姜をしぼる)



◼️ 白魚のウニ焼き


〔主な材料〕白魚・雲丹・酒


白 魚:金串を差し、やや強火で
尾が焦げないようやき、刷毛で
雲丹をぬる。
(家庭で調理するときは、オーブンに
並べて焼、雲丹をぬる。)


◼️ こごみ旨煮


〔主な材料〕こごみ・二番出し・
薄口醬油・酒


こごみ:熱湯で色よく茹で、
冷水におとす、鍋に出汁、酒を
煮たせ、こごみを入れひと煮立ちさせ、
鍋ごと冷水につけ冷ましましょう。


◼️ 木の芽和え


木の芽和えは、木の芽をすり春を
旬とする素材を和えたものです。
(例:竹の子・独活・百合根・蒟蒻・烏賊)
       

白酒に桃の華を浮かべてみました。



平成30年 弥生
茶 遊 庵
案内人 山﨑小夜

 

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