【JJC通信】ワイン本読後感その①〔愛酵会No.4〕 

「愛酵会」部長という身に余る大役を
仰せつかり、自分が20年前の知識のままでは
錚々たる愛好家の皆様に失礼だろうと、
改めてワインに関する本を読んで時代に
少しでも追いつくことにしました。


これがなかなか面白く…。


とりあえず、最近読んだ
『イギリス王立化学会の化学者が教える
ワイン学入門』をご紹介します。


ディヴィッド・バード、
『イギリス王立化学会の化学者が教えるワイン学入門』、
2019年、エクスナレッジ



化学の専門家が、ブドウ栽培から
醸造・熟成・ボトリング・販売・テイスティングに
至るまで、ワインのすべての段階について
化学の立場から一般向けに解説した、
なかなか得難い本です。


著者はプロフィル紹介によると
「イギリス王立化学会公認化学者」で、
「分析化学者として食品業界で主に
ベビーフードやマスタード、フルーツスカッシュの
成分分析に携わったのち、ワインへの情熱が高じて
1973年にワイン貿易業に転身」、
マスター・オブ・ワインの資格も取得し、
ISO9000やHACCPの導入を目指すワイナリーを
指導しているそうです。


本文502ページという分厚い本で、
第1章がワインの起源を扱い、
第2章「ブドウ畑」、第3章「ブドウの成分」、
第5章「ブドウ果汁と搾汁方法」、
第6章「果汁調整」、第7章「発酵」
あたりまでは順当な章立てと言えるでしょう。


ワインは何よりも原料のブドウの質が
大切とのことで、「良いブドウからダメな
ワインを作るのは簡単だが、ダメなブドウからは
良いワインは絶対にできない」
という、
鋭い真実が語られます。


読んで思わず、過去30数年で出くわした
職場の困りもの上司何人かの顔が浮かびました。


その後は、第8章「赤ワインとロゼワインの醸造」、
第9章「白ワインの醸造」と続きます。


このあたり、ワイン入門本では必ず触れられている
トピックですが、さすが専門家だけあって
他の書籍が当然のように済ましているところを
詳しく解説しています。


今回読んでやっと納得できたのが、
ボジョレ・ヌーヴォーの作り方で必ず出てくる
「炭酸ガス浸漬法Maceration Carbonique」でした。


ネットなどでは一般に「ブドウを破砕せず、
充満する二酸化炭素と一緒にタンクの中に置いて
発酵させることで、フレッシュな香りと、
渋みが少ないのに濃い色合いを兼ね備えた
ワインが造られる。


通常のワインより短期間で造ることができるので、
解禁日の定められた新酒(イタリアのノヴェッロなど)の
醸造で使われることが多い。」と説明されています。


これは別に間違いではないのですが、
ブドウを果皮、種子、梗ごと発酵させる赤ワインとの
原理的な違いがよく分かりませんでした。


バードによれば、果皮が傷つくと通常の
アルコール発酵が始まってしまうが、
炭酸ガス浸漬法では、果実を丸ごと酸素のない
嫌気状態に置くことで細胞内の酵素が発酵を開始、
それによって果皮・果肉が柔らかくなり、
香り成分が染み出してくるのだそうです。


その後は酵母による通常のアルコール発酵に
移行するそうです。


第11章「木樽と熟成」では、熟成にとって
酸素が必須であることが語られます。


最近では、木樽を使わずにタンクで
熟成させるのに、微量の酸素を供給し続ける
「ミクロ・オキシジェナシオン」なる技術も
使われているとか。


「ワインの品質が目に見えて向上する」
のだそうです。


多すぎると酸化が進みすぎ、全然ないと
熟成しない…ワインを生かすも殺すも
酸素次第なのでしょうか?


第15章「添加物」では、二酸化硫黄が
酸化を防止するしくみや抗菌作用、
酸化酵素の活動を抑止する効果、
ワイン内での他の物質との複雑な
化学変化が解説されます。


このあたり、化学者ならではの詳しさ。


さらに、アスコルビン酸、ソルビン酸など、
時に成分表示でお目にかかる添加物の役割も
記されています。


終わりに近い第21章は、「テイスティング」と
題してテイスティングの手順や意味を説明しています。


「ワインを分析しながら味わうことにより、
個々のワインが持つ個性や特徴を系統立てて
把握できるようになり、ワインを
識別する力が身につく。」



とのこと。そして、


「テイスティングノートを書く目的は
主に2つある。ひとつは自分の後学のため。


もうひとつはほかの人に特徴を伝えるときの
参考にするためである。


ここで大切なのは、できるだけ簡潔ながらも
個々のワインの特徴を想起しやすい言葉で
外観や香りや味わいを表現することだ。


それにより情報が整理でき、あとで
参照するにしても、誰かと語り合うにしても、
はるかに有意義なものになる。」



と述べています。


「さまざまなニュアンスを感じ、
違いがわかるように味覚を鍛えるには
継続的な訓練が必要である。


熟達するにはそれなりに時間がかかり、
進歩がないような感覚に襲われたりもするが、
『継続は力なり』と言うことわざのとおり、
必ず報われるから地道に続けてほしい。」



という一文には、大いに励まされました。


まだ報われているとは思えませんが…。


著者はテイスティングノートの一つの手本として、
「系統的テイスティング・メソッド
(Systematic Tasting Method)」というものを
提案しています。


下の図の左が確認すべき項目、右の表現用語は
各自自由に変えて良いそうです。


「筆者の経験から言うと、最良の
テイスティングノートは得てして短くシンプルな
言葉でまとめられているものだ」とのこと。


「まるで11月の夕方に濡れたブーツを
ストーブの横で乾かしているような香りだ」
などというコメントは、
「決して真似しないでほしい」そうです。


ここで私が思い出すのは、2018年に
ティロル地方に旅した時のこと。


旅行会社の手違いか何かで、はからずも
ビジネスクラスになってしまいました。


ラウンジや機内のワインはなかなか品揃えが良く、
オーストリア・ワインの多様性と魅力を
味わえたのですが、メニューに記された
ワインの解説たるや、十数行の大半は
色の記述に費やされ、肝心の香りや味については
2行ほどしか記述がなく、タンニンは目立つのか、
フルボディなのかどうか、そんな基本的なことが
一切書かれていませんでした。


バード先生なら「不合格」のノートですね。




「上質なワインは口から出したのち、
あるいは飲み込んだのちに、
何とも言えない素晴らしい余韻が長く残り、
味わいと香りがゆっくりと調和を
保ちながら消えていく」



のだそうです。


皆さんはそんなワインに出会えていますか?


バード氏はワインのたしなみ方として、


「さまざまなワインを飲むこと。
日常的に飲むには手頃な価格ながら良心的に
造られたワインを。高価なワインは特別な日に。


または週末でもいいだろう。


そうすれば高価なワインならではの品質が
分かるようになる」



と助言しています。


私にどなたか資金をご提供頂ければ、
喜んで今週末からそうします!!

 
さて、ここまでは概ね良い話なのですが、
第13章「澱引きと清澄」、
第14章「酒石の安定処理」、第16章「濾過」
などを読むと、いささか複雑な気持ちになりました。


これは著者の論旨への疑問・批判ではなく、
世間に流行しているワインの造り方への疑問です。


これらの章では、ワインを清澄にし、
酒石の結晶もできないようにするための、
実にさまざまな技術・補助物質が紹介されています。


曰く、牛の血、ベントナイト(粘土の一種)、
シリカゾル、活性炭、フィチン酸カルシウム、
イオン交換法、メタ酒石酸、
カルボキシメチルセルロース、マンノプロテイン、
珪藻土フィルター、メンブレン・フィルター……。


著者が述べるように、できたワインに糖分と
生きた酵母が残っていると再発酵が起きてしまい、
最悪の場合瓶が破裂したりしてしまうため、
再発酵を防ぐための処理(加熱や濾過など)が必要だ、
というのは理解できます。


しかし、高額の資本、さまざまな最新設備と
化学物質、エネルギー、労力を投入して、
完璧に透き通ったワインにしないと
いけないものでしょうか?


果実味が凝縮されたフルボディの赤であれば、
くすんでいたり澱があったりしても、
逆にそれが優れた中身を
物語っているのではないでしょうか?


酒石については著者自身、本来結晶が析出しても
何の問題もないのだから、
手間をかけて除去するより、消費者に
「無害」だと説明する方が良い、と述べています。


つまり、現在世界中のワイナリーで行われている
作業のかなりの部分は、ワインの本当の質
(香りと味わい)とは無関係な「お化粧」であり、
その結果私たちは画一的な味のワインを
(無意味な手間の分の価格を上乗せされて)
消費させられているのではないかと、
納得できない気持ちになったのです。


事実、カリフォルニア・ワインのかの有名な生産者
ロバート・モンダヴィ(1913~2008)も、
大学卒業後父親のワイナリーで働くうちに、
過度の清澄や濾過に疑問を抱くようになったそうです。


世の価値観がちょっとでも変わると、
今度はまた別なタイプの技術で別なタイプの味わいを
強調したワインが氾濫するのでしょうか?


ノン! ワイン市場の時の恣意的価値観に
引きずられる消費者ではありたくない!


ステレオタイプの「きれいなワイン」より、
できれば、丹精込めて育てたブドウの良さを
100%引き出した、無骨でも個性豊かなワインを飲みたい!


―本書からそういう思いを強くしました。


その足でおデパに行くと、
「野生酵母使用・無濾過」と銘打った
赤ワインが誇らしげに立っており、早速手が伸びて…。


愛酵会 さき

 

【JJC通信】JJC2020紅茶づくりのご案内〈紅茶倶楽部〉vol.2 

こんにちは
JJC紅茶アンバサダーの源直美です。


今年は暖冬のせいでしょうか、
春の訪れも早いようです。


新型肺炎が世界中で猛威を振るう中、
どこへ行くにも何をするにも
心配の種は尽きない状況ですが、
自分の身を守るためにできることを、
小さいながらも習慣の中に
取り入れていくことはとても大事で
効率的な方法ではないかと
日々感じています。


私が最近毎日実行していることは、
「夜の紅茶」です。


夕食後のほっとした時間に、
ダージリン紅茶(2019年オータムナル)を
飲みながら、その日にあった出来事や
最近の世情についての話をしています。



時には議論になって物別れする日も
ありますが、紅茶の持つ落ち着いた
雰囲気のおかげで、精神を安定させたまま
眠りにはいれる日がほとんどです。
(カフェインが気になるかたには、
ノンカフェイン紅茶をお勧めします!)


実際、紅茶には免疫力を高める効果もあり、
特にインフルエンザウィルスの
無力化に貢献できるとの、三井農林の
実験結果もあります。


※紅茶の抽出液により99.96%の
インフルエンザウィルスが無力化


若い世代の間では、免疫力アップのために、
紅茶にジンジャーを入れて飲む習慣も
根付きつつあるとか・・・


ちょっとした習慣で、少しでも免疫力を
上げながら、もっと人生を楽しみませんか?(^^♪


JJC2020紅茶づくり

さて、JJCでは2017年に引き続き、
JJCオリジナル紅茶づくりのご案内を
させていただきます。


今回お届けする紅茶は、1年で最初のお茶
「ダージリン・ファーストフラッシュ」です。


ダージリンには年3回の収穫時期
(春のファーストフラッシュ、
夏のセカンドフラッシュ、秋のオータムナル)が
ありますが、3~4月のダージリン地方の雨季を経て、
芽吹いた新芽を摘んだのが
このファーストフラッシュです。


一年の始まりの新茶ですので、非常にフレッシュ、
淹れると花やフルーツのような爽やかで
甘い香りがたちこめます。


まさに「紅茶のシャンパン」たる風格です。


紅茶の3大生産地でも特に「紅茶のシャンパン」
と言われるほど呼び声の高い「ダージリン」地域で、
1840年の創業以来、有機栽培のパイオニアとして、
またアメリカティー会議の品評会でも
第一位(2015)を獲得もしている
アンボティア農園グループ
からの直輸入茶を、
JJCオリジナル紅茶としてお届けいたします。


今回の企画は、紙のパッケージに
JJCのロゴマークをつけた
オリジナル紅茶として特別に
ご提供させていただくものです。


価格を前回より30%低く押さえ、
世界最高品質のダージリンを
お求め安くしました!


(発送の手配とコーディネートは
同日本事務所の辻正浩様にサポートいただきます)

***********************

♦ 製品名:
「2020 有機ダージリン紅茶
ファーストフラッシュ100g」

♦ 価格:1個2,800円
(税込・送料別途600円 
※6個以上のご購入で
同一のお届け先への送料無料)


10個23,000円(税込)
トータルで5,000円お得です!

20個46,000円(税込)
トータルで10,000円お得です!


他の紅茶専門店と比較して
コストパフォーマンスが高いと、
前回も好評をいただきました。



ご自宅でのティータイムに、
また親しい方やお世話になっている方への
おしゃれなギフトとして、
お得なまとめ買いぜひ
お勧めしたいと思います!


お申し込み方法

3月27日(金)までに
下記のフォームより、お申込みください。

JJC紅茶造り申込フォーム

*ご注文をいただいた後、
 代金お振込みのご案内メールを
 お送りさせていただきます。
 ご連絡をお待ちいたしております。



紅茶倶楽部
源直美
 
 

【JJC通信】3月4日 うたごえと漫才イベント中止のお知らせ 

JJC通信の配信を管理しております。大銅です。


先日、伊藤誠さんより熱海の各種イベントの
案内をお知らせしました。


ところが、世間を騒がせております
新型コロナウイルスの感染が、
依然として懸念される状況です。


そのため、
3月4日のうたごえと漫才イベントは、
中止させていただく事となりました。


非常に残念ではありますが、
参加される方の安全あってこその
楽しいイベントです。


首相官邸より発表されている、
感染対策の情報も共有しておきます。


一日でも早く、事態が収束し、
再びイベントが開催できる日を願っています。


引き続き、充実人生クラブをよろしくお願いします。

 

【JJC通信】2020年3月4日(水曜日)うたごえ お笑い 花 温泉 酒のお得情報です。 

JJC通信読者のみなさま 伊藤 誠です。


うたごえ  お笑い

2020年3月4日(水曜日) 


うたごえと漫才イベント


を熱海市役所施設で行います。


さらに  花


第76回熱海梅園梅まつり


樹齢100年を越える梅の古木を含め、
59品種・472本の梅が咲き誇り、
早咲き→中咲き→遅咲きと、順番に開花。


梅まつり期間中、梅を存分に
お楽しみいただけます。


期間中、園内には足湯や土産店もオープン。


日によって熱海芸妓連演芸会や落語会、
甘酒無料サービスなどのイベントも実施します。


さらに  酒  温泉


偶然 熱海にある伊東園ホテルの
お客様感謝ウィークです。



対象ホテル限定!3月1日~3月6日期間限定


バイキングプラン/大人1名様


通常1泊7,800円(税別)のところ
2泊3日12,000円~(税別)!


1泊あたり6,000円と、とってもお得に
ご宿泊いただけます♪



アルコールドリンクが飲み放題!


宿泊費は安いけれど、夕食の飲み物が
意外と高かったと精算時に思った
経験はありませんか?


宿泊費にアルコールドリンク
飲み放題が含まれているから安心です



お泊まりで熱海に遊びにきませんか!


伊藤 誠
充実人生実現パートナー
 

【JJC通信】ドラキュラも陶然!ワインは血よりも濃い!愛酵会企画02 カベルネ・ソーヴィニョンを味わう〔愛酵会No.3〕 

愛酵会企画02 カベルネ・ソーヴィニョンを味わう


2020.2.11 多摩市・からきだ菖蒲館 7人


2019年12月に立上げの集まりを持った愛酵会、
2回目の企画は、赤ワイン用葡萄の代表的な
品種の一つ・カベルネ・ソーヴィニョンを飲み比べ、
共通する特徴や、銘柄による違いを味わおう
というものでした。


提案して下さったIMさん、ありがとうございました。


直前にお二人が参加できなくなってしまいましたが、
ソムリエでイタリアに造詣の深いMuさん、
ピノ・ノワール愛好家のMyさんという
心強い通が参加してくださいました。


他のメンバーは、
「ワイン会なら定刻より早く来る」とおっしゃる
長老Fuさん、気候変動とワイン産地の変化との
関連を研究しておられる専門家のKnさん、
そしてJJCの大黒柱のIRさん
(統合型リゾートではありません!)です。


会場のからきだ菖蒲館は、きれいな調理室と
会議室が一つながりになっていて、
ホテルの会議室のような贅沢感がありました。


使用料わずか670円とは…!


今回試飲したのは、左から、
チリ、オーストラリア、アメリカ・カリフォルニア、
ルーマニア、そしてフランス・ボルドーの5銘柄。


ピッツァ、チーズ、サラミをつまみに
3時間楽しみました。



5種類の違いを比べながら飲んでゆくため、
プラスチックのコップに106mlずつ注ぎました。


さすがにこれだけたくさん注ぐと、
どれも黒味が濃くて色の違いは目立ちませんね。



以下、「さき」のメモ、他の方の感想、
そしてネットで入手した情報を記載します。


チリ Cono Sur, Valley Collection,
Reserva Especial, Cabernet Sauvignon, 2017

¥1210(※以下、価格は消費税10%込み)
Valle del Maipo



★メモ 濃いガーネット。つんとした
スパイス香と青茎香、仄かなスグリ香。


しっかりしたボルドー風のタンニン。


豊かな酸味。仄甘い果実味。スモーキーなこく。


★感想 「ジューシーな感じ」
「メルローっぽい」
「後から開いてしっかりしてきた」
「コノ・スルは田崎真也さんが勧めていた」


※情報 カべルネ・ソーヴィニョン92 %
カルメネール4 % マルベック3 % シラー1 %。


11か月樽熟成。


鮮烈なカシスやブラックチェリーの香りに
タバコのノートが複雑性を与え、
黒コショウやミントの香りが特長付ける。


豊富なタンニンと酸味。


バランスが取れたエレガントな深い味わいが特長。


長い余韻が楽しめるワイン。


オーストラリア Parker, Coonawara Estate,
Cabernet Sauvignon, 2017

¥2530 Australia



★メモ 明澄な黒柿色。つんとした
青トウガラシ香、青茎香、胡椒香。


程好いタンニン。若々しい酸味。
甘やかな果実味。スモーキーなこく。滑らか。


★感想 「軽くてまろやか、独特の香り、
ピーマン? 酸味やや強い」「味が薄い」

※情報 From two vineyards,
fermented in stainless steel, 10-15 days
on skins, matured in French oak for 12 months.


It is flush with cassis fruit,
and there are tannins to give
support to that fruit, oak incidental.


アメリカ・カリフォルニア Sono, Cabernet
Sauvignon, 2016 
¥? g3Vineyard Rutherford, Napa Valley



★メモ しっかりしたガーネット。
甘いスグリ香。後で青トウガラシのような香味。


収斂味のあるタンニン。しっかりした、
まろやかな酸味。甘やかな果実味。
スモーキーなこく。なめらか。


★感想 「タンニンが強い感じ、甘味がある」
「いつまでも豊かな香り」「一番飲み飽きない」


※情報に代えて ネットでいくら検索しても
情報皆無…それもそのはず、野田さんルートの
契約醸造ワインでした。


今回IRさんが1本2500円ということで
2本持ち込んでくださいましたが、本来は
その倍ぐらいのお値段のようです。


最後に「もう一本飲むとしたらどのワイン?」
と募ったところ、これが1位で、2本とも
空いてしまいました。


カベルネ・ソーヴィニョンの特徴とされる
スグリ香がいつまでも豊かで、
ボルドー・メドックあたりの
カベルネ・ソーヴィニョンのような
タンニンの強さはないものの、バランスの良さ、
優雅さは特筆すべきものでした。



ルーマニア Alira, Cabernet Sauvignon, 2014

¥1650 C.M.D Oltina



★メモ くすんだ紅樺色あるいは濃い飴色。


少し枯れかけた草のスモーク香、
甘い干しイチジク香。控え目なタンニン。


まろやかな酸味。甘やかな果実味。


干しプラムのようなこく。まろやか。


★感想 「タンニン、酸味少なく、スッキリ香。
フルーティー、甘味がある。」


「うすい、色が茶色っぽい」


※情報 アリラはルーマニアの南東、
黒海に面するドブロジャに位置する
ワイナリーです。


ドナウ川のほとりに位置する2つの畑
「アリマン(Aliman)」と「ラソヴァ(Rasova)」
を組み合わせて「アリラ(Alira)」
と名付けました。


ドブロジャ一帯はドナウ川と黒海に囲まれた
丘陵地帯で、大陸性気候の温暖な気候で
降水量も少なく、葡萄栽培に非常に適した
テロワールです。


アリラでは、カベルネ・ソーヴィニヨンや
メルローなどボルドー品種だけでなく、
ルーマニアの土着品種
「フェテアスカ・ネアグラ」も栽培しております。


アリラのワインを手掛ける醸造家
マーク・ドゥウォーキンは、
「私達のワインを味わう時には、ふくよかな
味わいや複雑な構造だけでなく、それを
造るために努力を注いだ全ての人に思いを馳せ、
ワインの背後にある歴史を感じてください。」
と語ります。


ステンレスタンクにて5~8日間低温浸漬後発酵。


旧フレンチオークバリックにて10か月熟成。


深く濃いルビーの外観。


カシスなどのベリー系果実やバニラ、
ビターチョコ、トリュフ、なめし革、
パプリカなどの香り。


口中でもブラックチェリーや
ドライプルーンなど黒色果実の味わいや胡椒、
セージなどが感じられます。


きれいな酸味と完熟感のある滑らかなタンニンが、
濃厚な果実味とバランス良く感じられます。」


☆補足 このワインは、つぎのボルドーと同じく
2014年収穫のもの。既に熟成途上で、それが
「茶色っぽい」色、「枯れかけた草の香り」
「干しプラムのようなこく」に現れています。


チリ、オーストラリアのものと色を比べると、
違いがあります。



フランス・ボルドー Les Tours de Beaumont, 2014

¥1980 AOC Haut-Medoc



★メモ くすんだ紅樺色。少し焦げた焼き肉香、
胡椒香、つんとした干し果実香。


ちりっとしたタンニン。落着いた酸味。


程好い甘味。スモーキーなこく。


いがらっぽさがある。


★感想 「スッキリしている。タンニン、
甘味とも丁度いい」「においがいまいち」


※情報 サン・ジュリアン村とマルゴー村の
間のキュサック村にあるシャトー。


フランス革命以前からシャトーが存在し、
「シャトー・ボーモン~美しい山~」と
呼ばれていました。


現在の壮麗な城は、1854年に当時の所有者
ボナン氏によってルネサンス様式を用いて
建てられました。


オーナーはその後変遷があり、その名声も
一時期低迷していました。


しかし1979年にオーナーとなったソウラ氏は
大規模な資本投入、醸造や熟成設備の刷新や
畑の整備を行い、かつての名声の復興に努めました。


現在は1986年に経営権を獲得したGMFが
シャトー運営。79年より続けられている
品質向上の努力の結果、かつての名声を取り戻し、
トップクラスのクリュ・ブルジョワとして
評価されています。


レ・トゥール・ド・ボーモンは
シャトー・ボーモンのセカンドで、果実の
ピュアな華やかやブドウ本来の風味を活かした
造りになっています。


今後の熟成も楽しみな2014年。


深みのある紫黒色、力強い果実味とタンニンが
感じられます。


☆補足 カベルネ・ソーヴィニョンを味わうのに
ボルドーは欠かせませんが、酒屋で候補を
見繕おうとすると意外に大変でした。


多くのボルドー・ワインがメルロー主体で、
カベルネ・ソーヴィニョンの割合が高いものが
余りないのです。


中には、メルローとカベルネ・フランだけ
というものもありました。


このワインはカベルネ・ソーヴィニョン60%、
メルロー40%で、おそらく味の特徴の中には、
少し熟成を感じさせる点など、メルロー由来の
要素もあるのでしょう。


自宅で飲んだ際には、3日後に開いて
ふくよかになりました。


以下、雑談


・ワインは農産物、日本酒は工業製品。


・練馬区中村北1-2-4にエノテカ・アリーチェ
 (Enoteca Alice)という
 イタリア食材専門店があり、いろいろな
 イタリア・ワインを買えます。


オンライン販売もあり。


・地球の気象を大きく左右する
 エル・ニーニョ、ラ・ニーニャ現象
 (南米沖の海水温の変動)は、
 海流ではなく風の変化が原因。


・代表的赤ワイン品種の飲み比べをしたい…
 メルロー、ピノ・ノワール、シラーなど。


・ピノ・ノワールに絞って世界各地のものを
 比較するのもあり。


・シャルドネの味を知りたい
 (それが正体不明なので困る…)。


・国産ワインの飲み比べは?


・神楽坂のヴェネツィア料理店
 「リ・スカンピGli Scampi」では、
 土着品種、オレンジ・ワインなど変わり種
 ワインを楽しめます。


次回は4月頃にぜひそこで…。


愛酵会 さき